想像と可能性
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
最近仕事が詰まっておりなかなか、のんびりとした釣行に行けない。おまけに梅雨時期に入りまとまった雨が降り続けていて河川の濁りもひどかった。そんな中、梅雨の合間の晴れ間をつき、夕まずめ、釣りになりそうなホームグラングラウンドである南アルプス水系の河川へ小一時間釣行をしてきた。
予想通り濁りが引きかけており、水量も多く、魚自体の活性は高そうに感じた。
時間もあまり無いためポイントを絞り釣りを始めたが、一投目で9寸程度のグッドコンディションのニッコウイワナが表層で釣れた。すぐにリリースし、ポイントを移動。押しの強い大場所に僅かな反転流があるカガミを見付け、ピンポイントにキャスト、即ツゥイッチに入ったら表層でイワナが反転食いした。キャッチしてみると同じく9寸程度のイワナであった。上の写真がそのイワナである。一見ごく普通のイワナに見えるが、下の写真を見るとこのイワナの変わった特徴がよく分かる。
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
同じ魚の背中の写真であるが、背鰭までは虫食斑点が無く黒くにじんだような大きな紋様があり、さらに背鰭から尾鰭まで虫食斑点が確認出来る。中部地方在来種のイワナであるヤマトイワナの特徴と放流されたニッコウイワナの特徴を持つ、いわゆるヤマトニッコウと言われるイワナである。(1999年5月に行われた第一回渓流保護シンポジウムで発表された信州大学農学部岸秀蔵氏の専攻研究では便宜上このような斑点の外見的中間種イワナをYN型と称していたが、自分はもう少し分かりやすくヤマトニッコウと称している)
もちろん、ヤマトイワナが生息していた河川にニッコウイワナを放流したため、異種間の交配が行われ、こういった魚が自然繁殖している訳であるが、実はこの河川では釣れるイワナはニッコウイワナがほとんどである。(過去のブログ07年9月9日のニッコウが釣れた河川と同じ)しかしながら何年も前から上の写真と同じような特徴を持つイワナを、個体数は少ないながら確認している。普通長い間、毎年大量のニッコウイワナの稚魚しか放流されていない河川であれば、数年の内にこういった交配種も絶滅し、ニッコウイワナだけの河川になってしまう場合が多いが、どういう訳か意外とヤマトイワナの血筋を持ったイワナが毎年確認出来る。
想像するに、この河川の隠れた枝沢にはヤマトイワナのみが生息する場所があるように思われる。本当にそんな沢があれば嬉しい限りであり、これはこの水系特有のDNAをもつヤマトイワナの、保全や繁殖を行なえる可能性が残されているという事になる。
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
ちょっとかわいそうであったが、お腹の部分を写真に記録させてもらった。全体的に白色だが、黄色っぽいオレンジ色が部分的に確認出来る。
OLYMPUS E-410 ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8
一般的に各鰭の前部が白い事がイワナの特徴であるが、このイワナを見ると各鰭の前部の色が白色に混じってオレンジ色が確認出来る。恐らくこれがこの河川で生まれたイワナの特徴なのであろう。
TACKLE
HUMP CORPORATION SGS-60
Daiwa EXIST2508 RCS2506スプール
ANRES AX-63S